別居にむけての準備
家族で過ごすのがいよいよ苦痛になってきた頃、僕は別居を切り出した。このままの状況では二人にとっても子供にとっても、何より僕自身にとっても良くない。一度距離を置いてみないかと。
妻は絶対にそんなことはしたくないと断固拒否の姿勢。でもそんな事は想定済みだ。君がなんと言おうと僕の意思は変わらない。そういって話し合いを打ち切った。
それからというもの妻は今まで以上に料理をし部屋を片付け、子供の世話をし、なんというか良妻賢母になろうと努力していた。でも正直そういう事ではない。むしろそんな妻を見ると、どんどん興醒めしていく自分がいた。
いくら話し合っても平行線のままなので、僕は家にいる時間が格段に減った。なるべく遅く帰り、なるべく早く出社し、土日も外出。妻のなんとかやり直したいという気持ちを完全に断ち切らなければいけないため、強硬な手段に取ることにした。